思いと創造

菊のような柄を注染で白抜きした朱色の風呂敷を持っている。どこで手に入れたのかすっかり忘れてしまったが、ずいぶん長いあいだ箪笥に仕舞ってある。ときどき思い出して広げてみるが、使い道が浮かばず畳んでまた仕舞う。いつか使うことがあるかもしれない。心のどこかに感じてそんなことを繰り返しているのだろう。風呂敷には心がすうっと軽くなるような安心を感じる。何かに付属されている専用の袋のような不器用さがなく、多少大きかろうが小さかろうがぴたりと包んでくれる。敢えて言う必要もないがとても優れた道具だ。数年前、ナイロンの風呂敷をこっそり試作した。それ以来それをずっとシノギングで使っている。使わずじまいの朱色の風呂敷はいつか使う日が来るだろうか・・・。

使い勝手

いたずらに軽い素材を使わずに、凌らしい豊かな風合いの素材を使用した風呂敷は、何かを包むということの楽しさを感じさせてくれます。この風呂敷はコットンのように適度な摩擦があるので滑りにくく、包んだり結んだりした状態を保ちます。撥水加工されているので濡れにくく、汚れたら洗濯機で洗える気軽さもあります。

使いこなし

シノギングで使うならまずは保険の薪を包んでみましょう。シノギングで消費して薪の量が減ったとしても、あそびなくぴったりと包めるのは風呂敷だからこそ。保険の薪の他にトランギアの小さいケトルやエバニューのアルミポットなどを包んでもいいでしょう。風呂敷に包んだら最後は結びたくなりますが、パッキングの際に無駄な空間を作らないためには、結ばずに包むだけにしておくという方法もあります。

素材の特長

繊維廃棄物から再生されたナイロンを51%使用したサスティナブルな素材で、タスラン糸によるコットンのようなふっくら感とナイロンのソフトな風合、そして光沢のないマットな見た目とワッシャー加工による落ち着いた風合いが特徴です。撥水性、速乾性、風呂敷に必要な強度を備えています。